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折原恵のニューヨーク写真日記 - New York Photo Diary by Kei Orihara

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2012年 05月 31日

クイーンズって東京でいうと何区?  Sunnyside, Queens

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Street Fair on Greenpoint Avenue, Sunnyside

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Street Fair on Greenpoint Avenue, Sunnyside

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Sunnyside



コメントに、クイーンズって東京でいうと何区って感じですか?  という質問があり、うーん何区だろうとさんざん考えたのですが、何区のどこと何区のどこを足して、、、と思っても、やっぱり、ぜんぜんちがう。。。 似たとこなんてぜんぜんないのです。

都市の構造がぜんぜんちがっている。マンハッタンを除いて、金持ちは遠い遠い郊外に住んでいます。マンハッタンからたくさんの郊外急行路線が走っていて、それは、そこに住んで通勤している人でないかぎり絶対に乗らない電車なのです(つまり駅に自分の車が置いてないかぎり、電車を降りてもどこにも行きようがないからです)。また、クイーンズの先のロングアイランドには10の空港があります。自家用飛行機を持っていなければ使わない空港が10もある。
クイーンズには、よほど奥の方や歴史保存地区などに行かなければ金持ちはいないでしょう。多くの世帯は質素なたたずまいで、車はありますがどこの道にも無料駐車できる。しかし、どこよりも治安がよく、フツーで、便利です。

住んでいる人の構成がちがう。
ご存知のように、ニューヨークは移民の玄関港として都市が発展してきたところです。

クイーンズの人口は225万人(2011年)ですが、その約半数が外国生まれの人なんです。人口の半分が外国人というのはすごいですよね。そしてここでは、138の異なった言語が話されているそうです。
しかも、とくに中南米出身や中国や韓国や、、、インドやエジプトや、、、と書いていたらきりがありませんが、移民の多い国から来た人たちは、国別あるいは言語圏別移民たちで、自分たちのコミュニティをつくり助け合っている。
自分たちの銀行をつくり、学校をつくり、NPOの社会サービス組織をつくり、、、その中で行動するかぎりは英語が下手でも生活や商売ができたりします。
その中で生まれた2世は、生まれながらのアメリカ市民にもかかわらず、そういう家族や親戚に囲まれて育ち、多くの人は家族のなかでは母語を使っている。ネイティブ英語が聞こえてこないはずです。

ところで合衆国の、1960年から2008年までに流入した移民4000万人のうち、その半分が中南米出身のラティーノ=ラテンアメリカ系(ほとんどはメキシコ人などのスペイン語を話すヒスパニックだけれど、ハイチやブラジルなどの他言語圏を入れてラティーノという)。
多くが、けっきょくアメリカの帝国主義的介入によって、つまり戦争をさせたり、武器を独裁政権に渡したり、経済コントロールしたりして、追いつめられて国を出た人たちです。そしてアメリカは彼らを最低賃金労働者として必要として来たのです。
1970年代にはたったの4%だったラティーノですが、2050年には合衆国の3分の1の人口がラテンアメリカ系でしめられることになるといわれています。もちろん、NYはすでに3人に1人以上がヒスパニックですが。

そう思って写真を見ると、わかりやすいかもしれません。

by keiorihara | 2012-05-31 10:29 | Queens


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