折原恵のニューヨーク写真日記 - New York Photo Diary by Kei Orihara

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2013年 02月 24日

サニーサイドの夕暮れ   Evening in Sunnyside

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きょうは、一冊本を読み終えて、ズッシリときているところです。

ヤマト王朝―天皇家の隠れた歴史

スターリング シーグレーヴ / 展望社



『ヤマト王朝』という本ですが、最初”The Yamato Dynasty"という原書を、友達から借りて読み始めていたのですが、数ページのうちに頭が痛くなり、日本の固有名詞を英語で読むこともないや、と言い訳をして、日本語訳の中古をアマゾンで手に入れました。

明治から戦後と現在にいたるまでの、皇族の生き様、やってきたことの歴史を書いたノンフィクションですが、昭和天皇裕仁のひととなりと戦争責任についても、皇族の戦争に果たした役割についても、ああやっぱり私が考えていたことはまちがっていなかった、と思ったはるかにそれ以上のことがこの本には書かれています。
著者はスターリング•シーグレーヴとその妻ペギー。訳は「ヤマト王朝」刊行委員会。訳者の名前が伏せられていて、いかに皇室が日本のタブーであるかを物語っています。

マッカーサーがやったこと、それが日本の戦後の今に至るまでにもたらしたもの、民主主義とはどんなことか未だにわからない国民がどうして生まれたか、どうして強力で時代錯誤的な官僚体制と政治家の猿芝居がこの国ではいつまでも続くのか、そもそも天皇制とは何か、一つのことを深く掘り下げているわけではないけれど、福島原発のことにもつながる、つまりたくさんのことがつながってくることが書かれていて、日本の今を考えるのにも、とても興味深い本なので、ぜひ、皆に読んでほしいと思う。

アメリカにいると、日本の皇室関係の本はとても目立ちます。
表紙がこれで、書店の平台に並んでいると、嫌でも目に飛び込んできます。
この本は1999年出版ですから、だいぶたっていますが、数年前に大型新刊書店の平台で見ていたものです。売れつづけている本なのです。

そして、こういう本がベストセラーになるのです。ニューヨークタイムズの新刊書欄に6週間連続でベストセラー入りをしています。もしかしたら、総数で行くと、アメリカ人のほうが日本の皇室のことをよく知っているかもしれません。

なのに日本人は、避けてしまいがちですね。
南京事件(南京大虐殺)についての本もしかり。(この話はまたあとで)
日本人ばかりが ”井の中の蛙” で、自己愛過剰で、アジアの中でも孤立してしまうのが目に見えています。
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by keiorihara | 2013-02-24 11:36 | Queens | Comments(0)
2013年 02月 18日

ある日のセントラルパーク2   A Day in Central Park 2

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Central Park, toward evening.



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Covered with thin ice.




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The Lake, frozen over.


写真をデジタル化したら、やたら新しいことを学ばなければならず、
もう人生時間が残り少ないというのに、何でこんなことに時間を費やさなければならないんだと思ってしまう。

人間はなぜもこんなにややこしいことに精力を使うようになったのか。
写真というのは光学が、直接身体と精神にすんなりと入って来るものだった。
カメラも引き伸し機も、光というものを自分の手で、あるいは心で、フィジカルに左右するものだった。
撮影も暗室作業も、今から思えば、身体で覚える労働だった。

写真の整理ソフト、編集ソフトなんかを、マニュアルと首っ引きで、
このところ、新しいソフトを使いこなせるようになろうと、苦手な部分の頭脳を使っているわけです。
暗室は、職人の世界だったなあ、とつくづく思う。
基本はじつに簡単、あとは自分の勘や経験とセンスで錬磨できる。
私は暗室作業が大好きでした。

確かに、デジタルカメラになって、撮影はずいぶん楽になったと思う。
そして気楽にもなった。フィルム代や現像代の心配をしなくていい。
でも、ダークルームがライトルームになって、ほんとうにややこしい。

それこそ私は人生も半ばをとうに過ぎて、他の国に移民したということだけで、もう精一杯で、
覚えなければ、あるいは身につけなければならない新しいことが人の百倍くらいあるような気がしているのに。
それなのに、その上、デジタル化である。

ごめんなさい。更新が遅れた言い訳をしているようです。
でも、なんだかんだといっても私は、ブログという表現形態を気に入っているのです。
辛抱して勉強しよう。
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by keiorihara | 2013-02-18 10:06 | Manhattan | Comments(0)
2013年 02月 06日

ある日のセントラルパーク    Central Park Reservoir

セントラルパークは、どんな季節のどんな時に行っても美しい。
若いときは、はっきり言って、退屈なところ、としか思わなかった。
もちろん美しいけど、だからどうなの? って感じで。

しかし、30数年後、私はここに来るといつも溜息をつく。
何というライン、何という造園、植物に対する行き届いた眼と労働、センス、配慮、、、

ニューヨークの冬は毎日曇り空、寒くて憂鬱で、
でも、ここに来るとホッとする。
この日はメトロポリタンミュージアムから入って、セントラルパーク貯水池を歩く。
夕方、つかの間の日差し。


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ニューヨークを舞台にした映画でのジョギングのシーンはたいていこの周り。
驚いたことに、セントラルパーク•レザボワと呼んでいたはずのこの有名な貯水池は、いつの間にか、ジャックリーヌ•ケネディ•オナシス貯水池と名付けられている。
字が大きいのは寄付の額がよほど大きかったせいか、と嫌みを言いいたくなるくらい。
寄付者の名前を、公園、学校の建物などの公共の場に付けるのが昨今の風潮で、美術館など、すべての部屋にいちいち長たらしい名前がついていて、夫婦連名なんかになると、じゅげむじゅげむ、じゃないけれど、いい加減にしてよと言いたくなるくらい長い名前がついていたりする。
アメリカの金持ちというのは、恥を知らない人種だと思う。
あれ、美しい貯水池の話だったのに。。。。
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by keiorihara | 2013-02-06 14:40 | Manhattan | Comments(0)
2013年 02月 02日

地下鉄のピアニスト Pianist at Subway Station

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Subway, Times Square駅  ショパンのノクターンが構内いっぱいに聞こえています。力強くて上手い。


前回、いじめと学校のシステムについて書きましたが、他の国のことを引き合いに出して何かを語ると、なんだか後味の悪いものが残ります。私は、いじめというものは社会の縮図なんだから、なくならない、という前提です。ではどうしたら自殺するような子が出るまで、まわりが放置してしまうか、ということが問題であり、実際的な防止の方法に、このような側面が考えられます、ということで、私の見たアメリカの小中学校を思い浮かべたのです。

ただ、わたしはたまたまアメリカで、いくつか覗いた学校がうまくいっている雰囲気のいい学校で、どうしてこんなに先生方に熱意と余裕があるんだろう、という感想を持ったわけですが、一方、アメリカの公教育は崩壊の危機に瀕しているとはよく聞くことです。

国の存在基盤が大きくちがっている国のやっていることは、考え方が基本的にちがうのです。
アメリカの公教育は(アメリカは高校まで義務教育)、国がタッチしていなく、ほとんどが市や町村の税金 と学校区で運営されていて、その形態やシステムなども場所によってマチマチです。
区域によって学校の質が大きく異なるのは、その地域のproperty tax (不動産税)の入り方によるからです。高級住宅地にある公立学校は税による資金が潤滑で、へたな私立に何百万円も払うよりはるかに良い設備と教師陣を持っているという話ですが、低所得層、たとえばプロジェクトという公営住宅群に住む黒人の多い地域の学校は、資金も貧しく、教師のレベルも低く、治安も悪く、建物の雰囲気も悪い。格差は日本からすると考えられないほど大きいのです。

予算をどのように作るか使うかも、その学校区や校長の考え方によっていて、親たちのバザーで体育館を建てたとか、給食をマクドナルドに参入させて寄付を得るとか、サッカー場をナイキに寄付してもらうとか、びっくりする話、ひどい話が満載です。

いずれにせよ、日本と比べて、アメリカの親はかなり子どもの学校や教師に関わりを持っていると思います。何かあるとすぐに担任やら、カウンセラーやら進路指導の先生から呼び出しがあったり、ミーティングに集合がかかったり。仕事が夜7時までだから無理だといえば、夜の8時とか、朝7時半の面会の約束になるそうで、日本人の親たちはびっくりです。

三人の子をもつ日本人の友人から聞いたのですが、小学低学年の娘がアメリカに来たとき当初、学校や英語になじめず家に帰って泣いている、どうしたらいいかと担任に相談したところ、教師はすぐにその子の家にやって来て夕食をともにした。(男の先生で、大学教授の奥さんと一緒にきたそうです)
先生が来てくれて食卓で自分と特別に会話してくれたことに娘はえらく感激して、また先生のほうもその子をより親密に知ったことでよりわかり、それとなく仲間入りできるように誘導したりと、たった一晩の行動が、一気に娘の心に灯をともしたらしく、すっかり学校好きになったそうです。
こういう話はたくさんあって、その子のためにどうしたら良いか、親も教師も一緒になって、できることからとにかくやってみよう、という態度がある。家に行く、と言ったのは教師で、それでは夕食をと言ったのは両親で、そういうことがとても簡単なのがアメリカです。
このようにアメリカの教師も、ものすごく忙しい、ということは変わらないようですが。しかしながら、母親も父親もボランティアで学校行事を手伝ったり、寄付集めの活動をしたり、課外授業の補佐をやったり、これはアメリカ中どこでもそうだと思いますが、一緒に学校を良くしていくという気持ちがあるようです。

話は元に戻りますが、アメリカに来て感じるのは、つくづく日本は社会主義的な国で、何もかもが平等で同じで、市民はサービスを受けるだけ、と考えているのだなあ、と。
そしてアメリカはあまりにも資本主義的。
”お金を稼ぐ能力を持った、あるいはそのために努力した人間は、報われなくてはならない。お金のない人は、努力が足りないし能力のない人たちだ、そんな人たちのために税金を使ってほしくない” という考えの人は、親の世代には多いし、共和党支持の人たちの多くは、そういう考えです。つまり学校の格差は当然と思っている人も少なからずいるのです。
もちろんそこには論理の飛躍があって、この国は差別(多くは人種、新移民、それを包括する職種への)によってそれが実現しているという現実に眼をつぶっています。

不動産税とか固定資産税と訳されるプロパティータックスというのは、あきらかにそこに住む人たちの経済事情を反映しています。賃貸アパートメントでもオーナーが税金を払うわけですが、家賃の高い地域と安い地域では雲泥の差でしょう。公営アパートからは税金は入りません。子どもたちに良い教育を受けさせたいなら、住宅にお金を払わなければならないということ。
実際、アメリカの多くの親は、引越し先を決めるのに、まず学校を見てから、という順番のようです。

自分の子に良い教育を受けさせ、安全な環境(そんなところは何処にもないことが、コネティカットの小学校銃乱射事件からもわかりますが、これは別の問題です)を与えてやりたいと思う親は、かなり無理をしてでも良い地域に住むか、私立に年間何百万円も払うか、お金で何とかせねばならないらしいです。
もちろん、そんな考えを屁とも思っていない、たくましい人たちもいるわけですが。



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Jason Cordero, pianist performing at Times Square Subway Station, Manhattan.
クイーンズに住むエクアドル移民の子。6歳の誕生日に父親からプレゼントされたおもちゃのピアノで才能に目覚め、7歳で教会のメインピアニストになり、将来ジュリアード音楽院に入りたいと自ら決め、11歳から地下鉄駅で演奏を始めて、いま15歳。アップルのコンピューターもデジカメもみな、自分で稼いだお金で買った。
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by keiorihara | 2013-02-02 00:38 | Manhattan | Comments(0)