折原恵のニューヨーク写真日記 - New York Photo Diary by Kei Orihara

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2013年 09月 24日

ブライトンビーチ Brighton Beach, Brooklyn

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ここを歩いて聞こえていたのはほとんどがロシア語。
ブルックリンの南の果てブライトンビーチにはロシア人の他にウクライナ人、ロシア系ジューイッシュ、とにかくロシア語圏の人たちがたくさん住んでいます。
海を見ながら砂浜に寝転んで日光浴をして(ニューヨークはすっかり冬で、寒いアパートメントを出て身体を温めに来ました)、
かえりにロシア食料品店で、ヘリング(ニシンの酢漬け)、ビーツのサラダ、キドニービーンズのサラダ、黒パンなどを買い込んで帰りました。
今これを書いていたらシュンシュンと音がして、ヒーターが入りました。
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by keiorihara | 2013-09-24 12:19 | Brooklyn | Trackback | Comments(3)
2013年 09月 14日

雅子妃のカウンセリング <不自由な日本語3 >

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Broadway, Brooklyn



<不自由な日本語3>

移民ビザで入国し、ジョージア州アセンズという大学町に住みはじめて間もなくの頃だから2004年か5年のことだと思う。
夫の友達で弁護士のケンは、毎週末うちに来てポーチでビールを飲みながら、いっしょに長いディナータイムを楽しむ良い友達だった。アメリカから一歩も出ないのに、新聞、雑誌を隅々まで読んで、世界の細々としたことを知り尽くしている人である。

そのケンがある日、私に聞きたいんだけど、と言ってこんな話をした。
「昨日のニューヨークタイムズの論説なんだけど。Princes Masako が鬱病で苦しんでいて、静養のため実家の別荘に行ったとき、母親に、医者とは英語で話したい、英語を話す精神科医を見つけてくれないか、と頼んだそうだ。でも宮内庁がそれを受け入れず、プリンセスマサコは自分の精神科医さえ自由に選べない境遇にいる。これでは病気を治癒するのは難しいだろう、って話なんだけど」
「えっ? それは、アメリカ人の医者ってこと?」
「いや、ナニ人ということではなくて、“英語で”カウンセラーと話したいと、そう書いてあったけど。で、僕の疑問は、日本生まれの日本人であるマサコが、なぜ英語でカウンセリングを受けたいのかってことなんだけど」
その記事は、なぜということにはまったく触れていなかったそうだ。

まず私が答えたのは、雅子さんは高校(公立)と大学(ハーヴァード)の7年間をアメリカで過ごした人。人間のもっともめざましい精神形成をなす青年期を英語で過ごしたのだ。自分のことをきちんと論理的に話そうとすると、英語のほうが話しやすいのではないだろうか。
それと、考えられるのは、皇太子妃は未来の皇后という最高位につく人。日本語ではドクターといえども、最高の敬語を使わなくてはならないだろう。自分の苦しい胸の内を話したいし、突破口を開きたいのに、宮内庁の医者ではイコールな人間として話ができないということを、すでに実感しているのではないか、と。
言葉が、身分ということから自由になれない。それが日本語だから。

で、ここまで書いて、ニューヨークタイムズの例の記事を確認したくてウェブサイトで探してみた。残念ながらその記事は見つからなかったが、しかしもっと、なぜの答えに近いものを読むことができた。

日本のプリンセスマサコが鬱病と適応障害の診断を受けて、抗鬱剤とカウンセリングの治療を受けている。しかし、と日本の鬱病の現状の話が展開される。すごく長い、健康欄の鬱病に関する記事の冒頭なのだ。

日本ではDepression(鬱病) という言葉が病名として一般に流布したのはここ10年ぐらいのことで、だが、それが悪い、隠さなければならない病気から表に出始めると、こんどはまるでブームのように鬱という言葉は使われるようになった、云々。
日本にはKiという言葉があって、気が滅入る、気が塞ぐというように(もの凄くたくさんのKiの言葉が列挙されて日本語から来る発想のちがいの話)、云々。
つまり日本では鬱病は病気として扱われてこなかったために、それへの研究、治療の歴史が浅く、多くの精神科医は患者に症状を聞き、抗鬱剤を処方し、次の回には薬は効いたかと尋ね、変化がなければ薬の分量を増やし、ほかの薬を試し、それが日本のほとんどの精神科医のやっていることのすべてであり、西欧で長く施されている言語によるセラピーはほとんどないと言ってよい、云々。
抗鬱剤の増量、習慣化が病気をさらに悪くし、慢性化して治療を難しくしていることについても、長々と続く。

もっと専門的にいろいろ書いてあるのだが、このことから考えると、もしかすると雅子妃はそれに気づいて(アメリカに住んだ人が精神科医と心理療法のことを知らないはずはないと思う)、宮内庁指定の医師のやり方ではなく、言語によるセラピーを受けたがっていたのかもしれない。
日本人のなかにも何人かは優秀な言語によるセラピストはいると思う。
しかし、どういう医者であっても、日本語という日常語で、皇室の中の自分の立場の話などましてや家族の話などできないのかもしれない。
抽象概念をもった英語だったら、いや直接的に事実を積み重ねて話せる英語だったら、余計なことを考えずにダイレクトに話せる英語だったら、いろんな意味で英語が話しやすいとというのは英語が下手な私にでも想像できる。
この<不自由な日本語3>は、日本語ということを、この雅子妃のエピソードで話そうと思って書き始めたが、どうやら別の問題のほうが大きそうだ。つまり、

妻が、嫁ぎ先である自分の家や職場で「人格を否定されている」ことを知り認めているのに、どうにも助けられない夫。
精神的な苦しみ、あるいは大きなストレスからくる病状を治癒する、あるいは軽減するのに、こういう治療を受けたい(多分それが一番必要なこと)と当の本人が言っているのに、それすら受け入れられない、籠の鳥であるがんじがらめの夫。
あるいはその周囲、機構、システム、空気。
(記者会見で、「セカンドオピニオンが必要と思われませんか」という記者の質問に、「いえ、宮内庁の担当医師がよくやってくれているので、その必要はありません」と、10年も同じ病気が治らないのに、他の医者を尋ねない患者がこの世にいるだろうかと思える非常識を平然と延べる皇太子のビデオを見たことがある)。 

この家族が日本国民のシンボルなのだ。見えないものにがんじがらめになっている。
日本というシステムは、人の心の問題を、人の命の問題を、ひとりひとりの幸福の問題を、こんなにもおざなりにしたまま、形ばかりをとりつくろっている。

「英語でカウンセリングを受けたい」これがなぜ、否定されなければならないのか。どんな理由だろうか。
今度はわたしが聞きたい。

(これを書きながらしきりに思い出したのが、英国王ジョージ6世の吃音の治癒に立ち向かう国王夫婦と市井の言語療法士の史実をもとにしたドラマThe King's Speach「英国王のスピーチ」という映画。そうなのか、王室であっても人格、個人というのはこのように尊重されているのか、と日本の皇室を思い出しながら見ていた。よくできた映画です。ジョージ6世の妻エリザベス妃が、大竹しのぶそっくりなのがご愛嬌)
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by keiorihara | 2013-09-14 07:09 | 日本語と英語 | Trackback | Comments(4)
2013年 09月 07日

ジャクソンハイツ Jackson Heights

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ある日、この街の通りで出会ったインド人のおじさんと、ずっと歩きながら話したことがある。
僕は牛肉を食べない。ヒンドゥーだからね。ヒンドゥーは宗教じゃないんだ。僕は宗教を持たない。でも牛肉は食べないよ。
-----じゃあ、習慣ということ?
う、うん、そういうこともできるね。僕は宗教が嫌いなんだ。でも、牛肉は食べない。


このところシリアのニュースを聞くたびに、本当に心が痛む。
シリア砂漠を旅していて、ダマスカスやアレッポで、なぜかパレスティナ人という若者から声をかけられた。
僕はシリア生まれだけど、シリア人じゃない。パレスティナ人なんだ。両親が難民だからね。
シリアの大学にはパレスティナ人がたくさんいるんだよ。そんなにお金はかからないよ。
あの子たちは今は40歳を超えただろう。今頃どうしているのだろうか?

父アサド大統領の時代だった。確かに社会主義的(あるいは独裁主義的?)な締め付けなどがあるように感じたけれど、
この国はたくさんの民族を抱え、しかも5つの国に取り囲まれながら、長い平和をつづけていた。
アメリカが今やっていることは、まったくイラクの戦争の始まりと同じ。
大量破壊兵器の嫌疑が、こんどはシリア政府が化学兵器を使用したというでっち上げ。

ニューヨークで。
......化学兵器はアメリカ政府がやったんだ。無人爆撃機に化学兵器、オバマはブッシュよりさらにひどい。軍事産業で儲かる一握りの人間たちのために働く政治家。
何も真実を伝えない、というか嘘で塗り固められたアメリカのマスコミをよそに、そんなふうに私に語ったのは、一人や二人ではない。
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by keiorihara | 2013-09-07 00:31 | Queens | Trackback | Comments(0)