折原恵のニューヨーク写真日記 - New York Photo Diary by Kei Orihara

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2014年 02月 23日

雪のガントリーパーク再び Gantry Park

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理解不能な風景がつづく地下鉄7番線の車窓から


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クイーンズからブルックリンにかけて、意外と知られざるクリーク(運河)がけっこうあるのです。


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クリークはイーストリバーに。
イーストリバーからハドソンリバーに入り、ずっと北上するとエリー湖まで壮大なエリー運河でつながれ、エリー湖から五大湖を渡って(いたるところに運河があったそうで)ミシシッピ川に入り、そこからミシシッピ川を下ってニューオーリンズに至るという、かつては想像するだにスゴイ水運が行なわれていました。大陸的というか、アメリカの大きさに溜息をついてしまいます。


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ガントリーパークに端の方から入りました。このあたりの高層アパートメントは、みなここ1、2年に建ったものです。


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後ろに見えるのはクイーンズボロブリッジ


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ジョージアの畑の綿花を思い出しました。気温が低いので、太陽の下でも雪はなかなか溶けません。外はパリっとして中はふわふわのメレンゲ状態です。
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by keiorihara | 2014-02-23 18:15 | Queens | Trackback | Comments(1)
2014年 02月 16日

アメリカの格差と貧困

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いつ見てもホレボレするガントリー


日本では、格差と貧困ということがずいぶんふつうに語られるようになりましたが、そこでわたしは、アメリカの格差は日本とくらべて比較にならないほど大きいというようなことを言いました。
しかし、比較にならないほど、というより、そもそも日本とアメリカの格差は、比較してはいけないと思うのです。というのは、格差の質がぜんぜんちがうし、異なった構造の格差だと言ったほうがよいからです。

まずはこの国は、移民でなりたっている国であること。(もうこれだけで、日本と180度ちがいます)
ヨーロッパの植民地から独立して始まったこの国の歴史を語らなければいけないのですが、そんなこと(インディアンのこととか憲法のこととか)をはじめたら人生の時間が足りませんので、現時点のことだけを書くことにします。

この国は、黒人奴隷という大きな労働力によって農業の基礎を作り、工業を発展させてきました。
またいつの時代も”新移民”が、最低賃金の労働力として、全産業をその底力となって支えてきました。
アメリカのことを書くとき、大ざっぱですがこの前提は重要だと思います。そのうえで、自分の見たこの国の格差の印象を書いてみます。

私は、ニューヨークに来る前に、ジョージア州アセンズという州立総合大学のある人口10万人の大学町に住んでいました。
そのうち5万人強が学生および大学関係者ですから、比較的民度の高い町といえると思います。
しかし貧困線以下の暮らしをしている人が24%(学生を除いても21%)と、全米でもかなりの貧困率の高い町でもあります。
そのアセンズの、平均的ミドルクラスの家族持ちはたとえばこんな感じです。
どんなふうに豊かな暮らしが保たれているか、ここで描く風景の一こまですが、ミドルクラスの家庭のクライアントはほとんどが白人で、労働する人はほとんどが有色人種といわれる人たち、と思って読んで下さい。

たいていの夫婦はどんなに子供が小さかろうと、子供が2人いようが3人いようが、夫婦は両方ともフルタイム、そうでなければ4〜5時間、弁護士の仕事をするとか、そういう仕事を持っています。(多くは夫婦共稼ぎのうえでの豊かさです)
乳児からのデイケアがたくさんあって、良いところを捜して入所の手続きするには苦労があるにしても、かなりフレキシブルな時間対応をしてくれます。
それから、専門の乳母、というかベビーシッター派遣の会社やオーガニゼーション(ノンプロフィット)もあり、また、パートタイムのシッターの個人契約をしているひともいます。
給料のかなりを子供のケアに使ってでも、夫婦の両方が働きつづけるのが一般的です。自分がどうというより、子供はほかの子供や大人と交わって育つのが良い、というかそうすべき、と多くの人がそう思っているので、迷いはないようです。
そういう感じなので、金曜の夜などにバーに行くと乳飲み子や小学生の子供を持っているはずの女性が、のんびりと夫や友達とお酒を飲んで楽しんでいます。
デイケアやベビーシッターの多くが、黒人女性です。

1週間に一度、お掃除のひとが来て、家中に掃除機をかけ、ホコリをすっかり拭き取ってくれる。お風呂もトイレもピカピカです。
日本人女性でジョージア大学で大学教授になった友人の話では、大学院修士の学生でさえ、アパートメントのクリーニングを週1で雇っている人がけっこういるそうです。彼女や彼たちはどこであろうと、掃除というものは自分がやるものではない、と思っている。そういう家庭に育っているし、アメリカでは公立小学校でも掃除をするのは用務員とか掃除人ですから(夜を徹してやっています)、掃除などしたことがないかもしれません。(と、その日本人はあきれているのですが)
そういうわけで掃除会社は、すでに巨大チェーンの会社がいろいろあるようです。ジョージアでは黒人以外にフィリピン人のハウスクリーニングの人に会いました。黒人女性の仕事といえばメイドでしたが、今はフルタイムのメイドというのはアッパーミドルじゃないといないのではないかと思われます。

それから、庭の枯れ葉の掃除、芝刈り、植木の手入れなどのガーディナーですが、やはり専門の会社から派遣された人たちが働いているようすはいたるところで目にしました。多くはネイティヴ系(インディオ系)の小柄なメキシコ人の男性です。何十年も同じ家に通っている個人契約の黒人のおじいさんもいます。そういえば、賃貸のわたしたちの家にも、オーナーに雇われている黒人男性が来ていました。月に一回くらい(夏はもっと)だったと思います。芝生というのはすぐにのびるのです。

それから、これはその町の一般的な場面での大ざっぱなイメージです。
シェフのいるちゃんとしたレストランに行くと白人の(あるいは白人系の)若い女性または男性がウェイトレス、ウェイターをやっていますが、ハンバーガー、フライドチキン、ドーナッツなどのファーストフードチェーンのキャッシャーといった、賃金が安いうえにチップをもらえない店は、若いけれども多くが黒人かヒスパニックです。
レストランのシェフは白人だけど、奥で下ごしらえで働いている人たちはメキシコ人、という具合です。


レストランなどは、肌の色の差別、という感じがしますが、全体的には格差の多くは教育、つまり学歴です。
黒人も大学院までいけば、とにかく教師や技師やの専門職、あるいは会社の管理職につけます。
ところが黒人は大学はおろか高校を中退している人も多いのです。これは余談ですが、黒人は大学に行く人の人数よりも刑務所に入る人数のほうがいまでも多いのです。
それは多くは歴史的に破壊された家庭環境のせいだと言えます。
長いあいだ奴隷としてあつかわれ、解放後は職をうばわれ、職にありついても家賃を払ったら残らないような低賃金の労働者として差別的な待遇をうけてきた黒人たちです。精神をずたずたにされたところからはじめなければならなかったわけで、傷と怨恨は深いのです。
黒人女性は好待遇を受けることもありますが、男性は差別や偏見をうけやすく、親が仕事をやめる、罪をおかす、自分が働かねばならない、どうせ努力しても何も変わらないのだと言う絶望、そんなこんなで高校を卒業するのもたいへんなことのようです。
ちなみに、女子高校生が絶望したときにやることは妊娠と出産です。動物的本能に近いものかもしれません。生きる意欲がわくのです。でも学校をやめてしまいます。

新移民が言語的なハンディをおっていて、高賃金の職を得られないのは仕方がないことです。
いつの時代も新しい移民は最低賃金から、必死で働いてきたのです。
(しかし韓国人などは、最初から店を買い、家を買い、子どもたちを大学院まで送る。最低賃金から、という苦労とはまた違ったやり方で必死で働いているように思います)
また新移民は、言葉、法律や文化のちがいから苦労が多い分、同胞コミュニティをつくって助け合う傾向があります。
しかしながら黒人は完全なアメリカ人です。差別や偏見にたいする政治的な組織はあっても、黒人経営の銀行やビジネスなどの互助組織はものすごくと言っていいくらい少ない。
彼らはどこか悪循環に陥っているところがあるように思います。
というか、アフリカンアメリカンのなかの格差も相当あるのです。
今では白人と黒人の格差より、黒人のなかのクラスの格差のほうが大きいのではないかと思われます。
かくして低所得層の黒人はつねに置いてきぼりにされているのです。

話が、横道にそれたりしましたが、ジョージアの話からアメリカの話をするとわかりやすいので、続けてみようと思います。
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by keiorihara | 2014-02-16 14:57 | USA | Trackback | Comments(4)
2014年 02月 07日

雪のガントリーパーク Gantry Park

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ガントリーパーク。バラの季節もいいけれど


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降り止まぬ雪のなかにけっこう足跡が、、、


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自由について考える


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犬の散歩の専門家。



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乳母車を押すおばあちゃん。
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by keiorihara | 2014-02-07 19:24 | Queens | Trackback | Comments(2)
2014年 02月 01日

オバマケア

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Jackson Heights



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Roosevelt Avenue



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Queens Boulevard




アメリカのキャピタリズムについては、何についても究極的にすごい世界になっています。
オバマケア(Affordable Care Actの通称)のことは、日本でも報道されているようですか?
でもこれが、どんなシロモノであるかは、あまり言われてないようで。

先進国で、公的国民皆保険制度をもたない国はアメリカ以外のどこもありません。
合衆国の人口3億1700万人中、4500万人の人が医療保険を持っていないそうです。
(私はこの数字に反対に驚いています。引き算すると2億7200万人もの人が、このバカ高い民間の保険会社の保険を買っているのかと)
保険に入っている人は、すべて私企業の保険会社の保険(ほとんどが大コーポレーションの)に入っているわけです。

私は歳をくっているというのもあって、ただでさえ高い保険が一段と高くなる。
ジョージア州にいるときに調べたのですが、これが一番安いと紹介された保険は、わたし一人で月に支払い6〜7万円(1ドル100円換算)でした。年間ではありません、月です。
それも、一回の治療費が10万円以下は、一切カバーされません。
だいたい医者に行くのは、調子悪いので調べてもらう、処方箋を書いてもらう、というようなことで、それは2万円くらいのものです。そして歯医者のクリーニング、これが一切カバーされないと、何のための保険かと思います。
しかし、事故を起こしたり内臓の手術などで入院すると、請求書が1千万から数千万なんて来ることがあるわけで(盲腸で300万円)、そのために保険会社に毎月すごいお金をかけすてることになります。保険会社はぼろもうけです。

ジョージアにいるとき、若い友人が出産したのですが、なんらかのことで赤ん坊が呼吸困難をおこし急きょ帝王切開になり、当人は二日で退院しましたが、赤ん坊はさらに数日入院していたそうです。その後は母子ともまったく健康にすごしましたが、請求書は450万円だったそうで、ご主人の会社がまとめて優良な保険に入っていたので、全部カバーされたそうです。友人の話では、全額カバーされないことも多いのだと言っていました。
(マイケルムーアのドキュメンタリー映画 ”Sicko シッコ" では、保険会社がいかに極悪で、病院や医師たちをも支配する医療の敵になっていることが描かれています)
しかしやはり、子供ができたら保険なしというのはかなりリスクがともないます。
会社が保険加入を世話してくれない場合、つまり個人家業だと、家族分の医療保険が収入の3分の一だの、4分の一という人も結構いるようです。
そこで現れたのが、オバマケアです。

国民皆保険というのなら、国が税金を運用して、あるいは一律の健康保険を制度として運営してしかるべきだと思いますが、これがぜんぜんちがうのです。
オバマケアで保険を買おうとすると、”マーケットプレイス”というサイトに行くことになります。
この保険のイチバは、従来の民間の保険会社が軒を並べて、「うちがとくですよ、いろんなプランがある我が社へ」 「ニューヨーク州で、あなたの収入だとこんな会社がありますよ」と、保険会社の出店ウェブサイトみたいなもので、これのどれかに加入しないと、罰金を払うはめになりますよ、という仕組みです。

はっきり言って、保険会社にとっては何一つ変化も損もなく、不良の保険商品が整理された分と、罰金払うのはいやだという善良な貧乏人に高い保険を売りつけられる分、さらに大コーポレーションの医療保険会社を儲けさせるしくみになっているのです。
州ごとにちがうし、収入の入り方や額によってもちがうので、詳しく説明すると、それはちがう、という話になるかもしれませんので、大ざっぱに本質だけを取り出して言ってますが。
国の制度は何一つ作らず、加入を強制した、極限のキャピタリズムの医療保険システムなわけです。

オバマケアの特徴は、低所得者に控除が用意されているということ。
保険がそれほど安くなったわけではありません。
ですが、例えば「あなたの保険料は5万円です。ですが、あなたは貧民なので政府が2万円を援助します。あなたは3万円だけ銀行に振り込めばいいのです」
という具合です。
政府は援助の2万円分を税金から、保険会社の”銀行”へ振り込むわけです。
政府は銀行にお金を渡す口実ができたのと、私企業の保険会社をさらに儲けさせるのと、こんなに資本主義的に頭のいい大統領はいないでしょう。

オバマは保険会社から巨額の資金援助を受けて大統領になった人です。
そして、オバマ大統領がやったことは、保険会社をさらに儲けさせる”改革”だったのです。

さて、共和党が断固反対して、議会が時間切れになって、連邦議会が閉鎖され、国の機能が混乱するという事態が起きましたが、
これもみなお芝居、という人もいます。
共和党がオバマのことを「社会主義者」と呼び、自由社会の敵、と非難して、オバマは果敢にも、まるで”痛みをともなう改革”をやったみたいですが、これもぼけとつっこみにしかすぎません。

でも、めでたく私もオバマケアの保険を買ったのです。
ニューヨークは他州とくらべてとくべつ安いそうですが、今までよりやすく買えたことはたしかです。
でも、大資本家たちを肥やす制度に国民皆保険なんてうたって、私たちの収入や税金が極悪非道の保険会社に行くってのは、やはり納得できません。

しかし、この国に来て、日本の健康保険制度(とくに高額医療費限度額など)がどんなに素晴らしいものであるか、改めて実感しました。
安倍内閣は、健康保険の見直し、なんて危ないことも言っています。断固死守してほしいのが、日本の健康保険制度ですね。
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by keiorihara | 2014-02-01 03:00 | USA | Trackback | Comments(0)